趣味を楽しむ
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(職場紹介14) 放射線科 紹介
56歳の冒険





“趣味を楽しむ”

                                     薬剤部長  萩原 正和

 多くの人が趣味を持たれていると思う。年間を通してや四季折々、健康管理や生涯学習としての様々な楽しみがあり、満足感、壮快感や達成感などそれぞれの面白みや醍醐味を経験されていると思う。我が家では、秋になると庭木の枝や葉が伸び、手入れが必要になる。手入れを始めて28年になる。
 当時、植木屋さん(幼な友達)に、3日間の約束で手入れをお願いしていたが、庭木が「金食い虫」であることに気付き、手入れを始めたのがきっかけである。庭木には興味を持っていたが、自分が手入れをするなど思ってもいなかった。まず、道具一式と脚立を購入した。不安ながらも、初心者として手ほどきを受けているうちに、手入れに対する楽しさや面白さを実感し、続けられる自信が持てた。植木屋さんに相談しながらも会話が弾み、年々、手入れをする樹木も増加した。また、各々の樹木の特徴や美観を保つための季節ごとの手入れ法も習得し、1年間楽しみながら手入れをするまでに上達した。自分で手入れを施した樹姿を一服しながら眺めるのは感概無量である。
 具体的には、10月になると、土・日・祭日を手入れの時間(楽しみ)に費やすことになる。刈り込みは、高所作業でもあるため、ロープなどで足場をしっかり固定し、事故の無いよう注意しながら、線を出す手間のかかる作業である。
 刈り込みする樹木としては、角形の、ツゲの生垣(年2回)、サツキの垣根(年2回)、柚の垣根(年2回)、球形の、玉散らしのチャボヒバ(約4.5m)20本、モチ、モッコク、キャラ、イチイ、ツゲ、サツキ、カエデ、イワツツジ等、円筒形の、サワラ(約4m)6本、モクセイ、ツバキ、サザンカ等である。剪定する樹木としては、ハクレン、ハナミズキ、キョウチクトウ、ヒャクジッカ、ザクロ、カリン、ニシキギ、ロウバイ、ツツジ、ハギ、フジ等で、時間をかけ、楽しみながら手入れを済ませる。
 毎年、12月下旬に、植木屋さんが手入れにみえる。門冠りの松、赤松などの松類やイトヒバ、ベニシダレ、イチョウ、タイサンボク等、自分のできない樹木の手入れをしてもらう。全ての庭木が仕上がった後の美観は格別であり、正月が迎えられる。
 最近は、植木屋さんや近所の人に褒められたり、通りすがりの人に植木屋さんと間違えられたりすることがあり、「趣味と実益」「継続は力なり」を実感し、少々自慢のできる腕前になったことを感じる今日この頃である。
 約30年前から、エコ志向の趣味を持つ私としては、地球温暖化防止を先取りし貢献していると思っている。


                                        2009年秋 47号



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 放射線技術科について紹介させて頂きます。
 現在、当院では14人の放射線技師が勤務しています。業務は名前の通り、主に放射線を用いて検査や治療を行います。人体に害を及ぼす恐れのある診療放射線を人体に照射できるのは医師・歯科医師、それから医師・歯科医師から指示を受けた放射線技師のみと法律で決まっています。なので仮にどんなに権威のある大学の教授であっても医師・歯科医師でない限り、人間に放射線を当てたら違法なのです。・・・なんて書くと特権的職業のような感じがしますが、実のところ放射線発生装置がない所では我々は全く仕事が出来ないわけで、放射線技師は通常、放射線発生装置のある病院で働かせてもらっています。総合病院などでは装置の数も多いので当院のように技師数も多くなります。
 今回は主に検査部門について紹介します。X線を照射する検査としては検診でおなじみの胸部写真など代表される一般撮影、女性の乳房検査をする乳腺撮影(マンモグラフィー)、バリウムを飲んだりする透視撮影、歯医者さんで撮る歯の写真などがあります。また、外来ではあまり見かけないと思いますが、X線撮影装置をコンパクトにした病棟訪問型移動装置が当院は5台あります。主に手術直後など体が動かせない重症患者さんのためにベッドサイドまで訪問する事が多いです。身体の広い範囲を輪切りの像で表示出来るCT撮影もX線を利用した検査です。
 放射線は身体の外から照射するだけではありません。RI検査ではガンマ線という放射線が出る物質を液体にしたものを注射液として人体に投与し、人体から出てくる放射線を利用して検査を行います。
 それから磁石の力を利用して身体の内部を細かく検査するMRI検査があります。実はこれは放射線を使わない検査なのですが、当院では放射線技師の担当検査部門になっています。
 最後になりますが、放射線の検査では服を脱いだり食事を一食抜いたりという手間(検査前の前処
置と言います)を皆さんにお願いすることがあります。これは撮影した時の患者さんのコンディションが万全でないと皆さんの主治医が診断しづらくなってしまうからです。 お手数ですが、その時は皆さんのご協力をよろしくお願いします。そして私たち放射線技師は皆さんが元気になるためにより多くの診断情報のある検査を提供できるよう努力してゆきたいと思います。

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                                       診療部長  佐藤 尚文

 2009年7月22日、奄美大島北部、トカラ列島、屋久島、種子島南部で皆既日食が見られた。日本国内で見られたのは1963年7月21日、北海道東部で見られて以来、実に46年ぶりの天体ショーである。子供の頃から星に興味を持っていたので、今回の皆既日食を見たいという希望はおそらく40年位前から考えていたと思う。今の環境で実現可能な計画という意味で具体的に決めたのは2009年が明けた1月である。が、この前後休暇をとる、火曜木曜の手術日も休みます、ということ以外は直前まで計画を曖昧にしていた。計画は観測機材を車に積んで1400km走り鹿児島からカーフェリーで種子島に渡り、その最南端門倉岬付近で観測撮影をするというものである。曖昧にしていたのはカーフェリーが予約出来るか否か判らなかった事、車で1400km行くことに反対意見もあったからである。車で鹿児島まで走破するなど、学生時代ならともかく、この年で不安もあったが、毎年長崎まで車で往復しているという患者さんの“大丈夫ですよ”という言葉が大きな支えだった。パソコン制御の赤道儀と望遠鏡2本、カメラ3台を積んで信越道、中央、名神、山陽、中国道、九州自動車道を一人で走りぬき、計画は実行された。
 鉄砲伝来の地、種子島門倉岬は、一面のさとうきび畑、サツマイモ畑に囲まれ海の向こうに屋久島を望む南国の地であった。生まれて初めて訪れた地であるが、前もって衛星写真でその地形を把握し、2日前に現地に入り、GPSで正確な場所を確定し0.1秒の精度でシミュレーションを重ね、皆既日食の撮影準備は万全であった。7月21日前夜、望遠鏡をセットしているうちに奇跡的に快晴となった。人工的な光の全くない漆黒の空に雲と間違うほどの明るい天の川、低い北極星、地平線から高く浮き上がったサソリ座は此処が南国の地であることを実感させてくれた。
 当日7月22日は残念ながら曇り空で皆既日食は見られなかったが、その瞬間空が真っ暗になり、肌寒い風が吹き、ざわめいた鳥たちが一瞬にして静寂を守った不思議な瞬間を経験できた。皆既日食は逃したものの種子島のフェリー乗り場、西之表港に向かう途中で、雲間に見えた部分日食を記念に撮影し、種子島を後にした。カーフェリーはプリンセス若狭3時間半の旅、途中で桜島噴火の船内放送にデッキに出れば噴煙を上げる桜島、スケールの大きさに篤姫の薩摩を思い浮かべたりした。
 鹿児島港を後にし、鹿児島ICに乗ったのが7月22日19時、途中6時間の睡眠を挟み、食事や小休憩をとりながら、吉井ICを降りたのが7月23日16時30分、1400Kmを15時間で走った事になる。不思議と一度も眠くなることもなく、高速道路を走る“コツ”のようなものを習得しながら、我が人生での最長距離のドライブを終了した。
★★ 今回の冒険の成果 ★★
1.真っ暗な夜空の天の川撮影
2.一面のさとうきび畑と海に浮かぶ屋久島の風景
3.皆既日食の瞬間の暗闇の風景
4.桜島の噴火の瞬間
5.鹿児島往復、全行程3000Kmのドライブ
6.富岡に来て初めて6日間も職場を離れた事
7.沢山の人たちが応援し心配してくれたこと

 3年後の金環日食は勿論、26年後の皆既日食まで生きていることを目標とし、そのためには日々健康のための実践努力が必要です。そのことを考えさせてくれたのが最大の成果かもしれません。


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