トピックス 「生活習慣病」



生活習慣病  ヘルスフォーカス

内科医長  永井 隆

1.成人病から生活習慣病へ
成人病:加齢に伴って罹患率が上昇する疾患群を指します。
      (根底に老化はやむを得ないという考え方があります。)


1997年 (死亡者 27.5万人)
脳血管障害 (死亡者 13.9万人)
虚血性疾患 (死亡者  7.2万人)
             などに対し集団検診を進め早期発見・治療を柱としていました。

生活習慣病:生活習慣が発症・進行に関与する疾患群です。


食事の変化(塩分・動物脂肪摂取量増加)及び運動不足
  (高血圧症・高脂血症・糖尿病・胃癌・大腸癌・乳癌)


喫煙(慢性気管支炎・肺気腫・肺扁平上皮癌・咽頭・喉頭・食道癌)

飲酒 (アルコール性肝疾患)
ドクター

以上よりかなり多くの疾患の生活習慣がその発症に関与することがわかります。かつて成人病と言われた高血圧症、高脂血症・糖尿病は小児でも増加してきました。これらが進行すると脳血管障害や虚血性疾患を併発することになります。

2.高血圧症・高脂血症・糖尿病の疫学
  1995年:高血圧症(血圧が140/90mmHg以上)         3400万人
        高脂血症(総コレステロールが220mg/dl以上)   2400万人
  1997年:糖尿病(空腹時血糖が126mg/dl以上)        690万人

3.高血圧症・高脂血症・糖尿病の関連
最も頻度の高い高血圧症から見た場合、減塩主体の食事療法及び降圧剤の併用により血圧管理が可能となり、脳血管障を減少させることは出来ましたが、虚血性心疾患を減少させたとする疫学調査は少ないのが現状です。虚血性心疾患患者は高血圧症以外に高脂血症や糖尿病などの危険因子を併発する例が多いためです。 図1
従って、これら3つの併発しやすい危険因子は同時に治療または予防を考えていくことが重要です。これら3つはその発症に共通の基盤があります。

4.生活習慣の改善の重要性
食事の面から:
 塩分摂取量の増加は高血圧症の進展に関与するわけですが、最近の食生活の問題点はコンビニや外食産業の氾濫による動物脂肪摂取量の増加です。これにより体内に内臓脂肪が蓄積されることになります。内臓脂肪を貯えた脂肪細胞から3.の病名を引き起こす物質が産生されます。最近、アメリカでは砂糖の摂取量の増加が問題となっていますが、これも体内の内臓脂肪として蓄積されることになります。

運動不足の面から:
 自動車保有台数の増加に伴う運動不足は体内の内臓脂肪蓄積をもたらすため、やはり(3)の病名を引き起こすことになります。






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