トピックス 「子供の誤飲・誤嚥を防ごう ピーナッツに注意」



褥瘡対策について  図1

看護副部長  大河原 温子

 褥瘡は「床ずれ」とも呼ばれ、色々な病気やその後遺症のために自力で体を動かせない状態の人にできやすい皮膚のただれ(潰瘍)である。

何故褥瘡はできるのか。
 自分で「寝返り」を打てないと一定の場所に圧力が加わり続け、皮膚には血液が流れにくくなり褥瘡ができる。「寝返り」を打てない人の中で次の人は特に褥瘡ができやすい。


1低栄養・・・栄養状態が悪くなると皮膚にむくみがでて血行が悪くなる。

2やせすぎ・・・やせは骨の出っ張りが直接的に皮膚を圧迫する事になる。

3摩擦、ズレ・・・上半身をベッドで起こす角度を30度以上としたり、体位変換時、体を引
  きずると「摩擦」や「ズレ」が生じ、血管がよじれたり伸び過ぎたりするため に血液が流
  れにくくなる。これらのことが、褥瘡の発生を助長する。

褥瘡のできやすい部位はどこか。
仰向きに寝た状態では頭部、お尻(仙骨部)、肩、かかとの部分に体重が集中して加わるため褥瘡ができやすい。特に仙骨部には体重のおよそ40%がかかるといわれているので注意が必要である。
図2

褥瘡を予防するためにはどうしたらよいか。


《皮膚をこまめに観察する》
 皮膚に発赤を認めたら圧迫を取り除く。 この時にマッサージをすると皮下組織の損傷

 と炎症を進行させてしまうので マッサージは厳禁である。

《圧迫を少なくする》
 ベッド上で横たわった状態では30度側臥位(横向きに寝た状態)を取り入れた2時間

 毎の体位交換や上半身をベッドで起こす角度は30度までが原則である。更に圧迫を
 一点に集中させないために体圧分散寝具が使用できるとよい。(貸与を受けることも
 可能である)

《栄養を整える》
 たんぱく質を多く含んだ栄養価の高い食事に心掛ける。

《皮膚の保護に努める》
 皮膚を湿った状態(尿、便、汗による汚染)で放置しない。等である。

褥瘡対策委員会
 褥瘡に対して今昔の感がある。
例えば、化膿してない褥瘡の消毒は不要で洗浄が基本である、洗浄液に消毒剤を混ぜても意味がない、褥瘡部をドライヤーや日光浴で乾燥させない、ギャッジアップや側臥位時の角度は30度が原則である、円座は安易に使用してはならない等である。
 当院では以前より「褥瘡発生をなくそう」を合言葉に種々の対策を講じてきた。更に褥瘡の予防と早期回復に向けて02年8月より褥瘡対策委員会を設立し、月1回定例会を持ち褥瘡の早期回復と予防などについて研究している。月1回専任医師、看護師と栄養士の3名で褥瘡ができている患者様の処置やアドバイスをしている。今後も褥瘡対策委員会を中心に全職員が一丸となり、当院での褥瘡発生がゼロになることを目指していきたい。 図3






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