トピックス 「子供の誤飲・誤嚥を防ごう ピーナッツに注意」



たばこと健康について

わかっちゃいるけどやめられない
 タバコの害、どんなに声を荒げても、どんなに証拠をつきつけても愛煙家の禁煙行動には結びつかないことが多いのです。大抵の喫煙者はタバコの害など百も承知。だがしかし、わかっちゃいるけどやめられないのです。願望はあるが実行できない慢性ニコチン中毒者なのです(痩せたいけどダイエットが続かないのと同じ?)。ニコチンガムの大ヒットはこのポイントを巧みについたのです。その結果、不況の風もなんのその。「禁煙してても吸いたいヨー。」は某薬品会社のドル箱となっています。
図1 禁煙ではなく先手をとって防煙教育は子供からとの主張は昔からあります。実際、一部の学校の職員室では全面禁煙となり教師も喫煙できないそうです。この発想は喫煙習慣が生まれたあとの環境によって作られる理由からでしょう。でもそれがすべてでしょうか?ニコチンに関する感受性が遺伝子発現で決まっているとの説があります。愛煙家でも簡単に禁煙できるヒトとどうしても禁煙できないヒトがいますが、それはその人
の責任ではなく生まれつきの性質(ニコチン感受性ゲノム)が原因という理屈です。
愛煙家には一見都合の良い説ですが採血による遺伝子検査でニコチン感受性が判定されるといいのがれができなくなってしまいます。「あなたのニコチン感受性は人並なのでただの意志薄弱ですね・・・・・。」タバコの発ガン物質は200種とも2000種とも言われていますが、先天的にタバコの害を受けやすいヒトを選び出して集中的に禁煙教育をおこなうことも 図2
可能になります。もっともこれらのヒトはおそらくタバコ以外の発癌物質にも感受性が高く、生命保険に入れないなど新たな社会問題を生んでしまうかもしれません。
 来年からあの9.11ニューヨークのレストランでは従業員の健康管理(受動喫煙回避)の観点から全面禁煙となるそうです。その一方であらたなシガーバーのビジネスチャンスが広がるだろうとの予測です。日本でも同じような矛盾した光景があります。JT(日本煙草産業)が医薬品メーカーであることご存知ですか。けしからんと思ったあなた、いつも出かけるスーパーマーケットをごらんなさい。たばこもニコチンガムも同じ店舗で売っているでしょう。政府もタバコ一本あたり1円の増税を考えているようです。税金増収にはタバコは一役かっているのでしょうが、健康被害で健康保険の赤字が加算では元も子もありません。禁煙を邪魔する要素は個人だけでなく社会にもその責任あるようです。
図3 タバコの健康への悪影響は調べれば調べるほど明らかです。WHOも「先進国では喫煙は取り除きえる。予防しえる最大かつ単一の疾病病因だ。」と論じています。薬剤エイズやハンセン氏病では不作為の過失責任が問われました。呼吸器外来、循環器外来に通う患者さんに禁煙を熱心に説かないと医療人として責任を果たしていないと責められる時代が来るかもしれません。吸ってるヒトにも売ってるヒトにも魅力的タバコですが、やはり医療の世界では旗色は悪いようです。さあここまで読んで感の
良い方はおわかりでしょう。なにを隠そう私もかつては喫煙者だったのです。幸いニコチン感受性が低くきっぱり止めることができましたが・・・・。現在、内科外来で何回失敗しても良いから、いつからでも遅すぎることはないからと禁煙を勧めている毎日です。

最後に耳寄りな話をひとつ!!
限られた外来時間ではゆっくり禁煙の話はできません。インターネットが使えるかたはひとつの方策としてインターネットによる仲間作りがあります。不当な料金請求はないのでお困りの方はアクセスしてみてはいかがでしょう。
 まゆみ先生の禁煙外来 (http://www.venus.dti.ne.jp/~drmayumi/
  禁煙マラソン (http://www2u.biglobe.ne.jp/~kin-en/
      または (http://www.health-net.or.jp/tobacco/menu07.html
 パッチ&メール (http://www2u.biglobe.ne.jp/~kin-en/index.html
  Stop smoking-ML (http://www.yoshida-hospital.com/ssml.htm)


インターネット使えないかたはどうぞ公立富岡総合病院内科にご相談あれ。
(待ち時間増やすとおこられるかな?)








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