ヘルスフォーカス 癌を切らずに治療します
画像診療科  鈴木 義行

 癌治療の主な治療法として、手術・抗癌剤・放射線治療があります。放射線治療に関しては、以前は、「手術できないから放射線治療しかできない」というイメージが少なからずあり、手術を選択される方が多かったと思いますが、最近では、少量の抗癌剤との併用でより高い治療効果を得られることが明らかになったり、放射線治療機械の進歩により、より安全に高度な治療が可能になったことなどから、放射線治療が第1選択となる場合が増加しています。
 また、高齢化により合併症などから手術が困難な方や手術を拒否される患者さんも増加しています。全国的に放射線治療患者は急増しており、当院でも2005年度の治療患者数は過去最高となっております。


 放射線治療の方法としては、a)体の外から放射線を照射する“外照射”と、b)その他の方法があります。当院で行えるのはa)外照射です。機械(コバルト)から出る放射線(ガンマ線)を1日1回・一定時間、体の外からあてていただく方法で、胸部レントゲン写真を撮るのと同様、痛みなどを感じることはありません。若干時間がかかる(15分程度)のが難点ですが、高齢の方や合併症のある方でも、比較的安全に治療を行うことができます。 イラスト

b)その他の特殊な方法が必要な場合には、群馬大学に紹介受診して頂きます。また、数年後には群馬大学に世界最先端の治療機器である、重粒子線治療装置が導入される予定です。重粒子線治療では、目的の場所に集中させて、多くの放射線をあてることが可能となり、副作用を減らし、かつ高い治療効果を得ることが出来ます。残念ながら、この治療は2009年から治療開始となりますので、もう少々お待ちください。
 このように、放射線治療は、がん治療のなかで、ますます比重が高まっていくことが予想されます。しかしながら、“放射線”を扱っている訳ですので、まずは安全性を第1に、一人でも多くのがん患者さんのお役に立てるよう、治療室一同努力していきたいと思います。とは言っても、一般の方には、放射線治療はなじみがないでしょうから、まずはお気軽に放射線治療室までご相談ください。


 2006年春 33号 広報掲載







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