特色

当院産婦人科は地域の中核病院として、一般産婦人科診療、周産期医療はもとより、急性期対応病院として救急患者の受け入れにも100%対応することを使命と考えています。
不妊治療は、排卵誘発、人工授精AIHを行っています。子宮癌や卵巣癌の治療も、手術療法、化学療法、放射線療法、緩和治療など種々の方法により可能です。
当院の特徴的診療として、骨盤臓器脱に関して各種手術療法を積極的に施行しており、2018年からメッシュを用いた腹腔鏡下仙骨腟固定術(LSC)も行っています。
スタッフ紹介
職 名 | 氏 名 (ふりがな) |
専門分野 | 認定・専門医 |
---|---|---|---|
統括診療部長兼 産婦人科診療部長兼 周産期小児センター長 |
五十嵐 茂雄 いがらし しげお |
産婦人科一般 周産期、不妊症 産婦人科腫瘍 内視鏡下手術 骨盤臓器脱 |
日本産科婦人科学会(専門医・指導医) 医学博士号 医師臨床研修制度(指導医) |
主任医長 | 鹿沼 史子 かぬま ふみこ |
産婦人科一般 周産期、不妊症 産婦人科腫瘍 骨盤臓器脱 |
日本産科婦人科学会(専門医・指導医) 医学博士号 医師臨床研修制度(指導医) |
主任医長 | 岩宗 政幸 いわむね まさゆき |
産婦人科一般 周産期 骨盤臓器脱 |
日本産科婦人科学会(専門医) 医学博士号 医師臨床研修制度(指導医) |
医長 | 井上 拓哉 いのうえ たくや |
通常の外来は常勤医師の4名(男性3名、女性1名)で行っております。
その他、非常勤医師2名、群馬大学からの派遣医師3名に当直、人間ドック、病棟管理、手術などをお手伝いいただいています。
診療実績(症例数等)
1. 周産期集計
2020年 | 2019年 | 2018年 | 2017年 | 2016年 | |
---|---|---|---|---|---|
出生児数 | 353 | 422 | 468 | 491 | 478 |
正常経腟分娩 | 250 | 290 | 338 | 343 | 339 |
鉗子分娩 | 26 | 23 | 30 | 34 | 30 |
吸引分娩 | 10 | 10 | 4 | 6 | 5 |
帝王切開 | 65 | 99 | 91 | 106 | 101 |
緊急帝王切開 | 17 | 30 | 17 | 34 | 31 |
帝王切開率 | 18.5 | 23.5 | 19.7 | 21.7 | 21.3 |
2. 手術集計
2020年 | 2019年 | 2018年 | 2017年 | 2016年 | |
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良性開腹手術 | 33 | 37 | 47 | 37 | 51 |
悪性腫瘍手術 | 20 | 20 | 23 | 21 | 23 |
腹腔鏡下手術 | 23 | 29 | 27 | 25 | 25 |
骨盤臓器脱手術 | 10 | 15 | 9 | 8 | 1 |
骨盤臓器脱について
女性の骨盤内臓器は骨盤内の筋肉(骨盤底筋)によって支えられています。出産、加齢、肥満、慢性の咳や便秘などが原因で骨盤底筋が緩んでしまい、膀胱・子宮・直腸が腟に包まれた状態で飛び出てきてしまいます。出てくる臓器によって膀胱瘤、子宮脱、直腸瘤と呼ばれ、骨盤臓器脱はその総称です。

日本において正確なデータはありませんが、欧米では出産を経験した女性の30〜40%で何らかの骨盤臓器脱を認めるという報告があり、決して稀な疾患ではありません。
治療法には保存療法と手術療法があります。加齢と関連する疾患のため、比較的年齢の高い方や持病のある方が多く、手術療法を希望されてもご希望にそえない場合もあります。
保存療法には、骨盤底筋体操とペッサリーというリング状の器具を腟内に挿入して脱出しないように支える方法があります。ペッサリーを挿入すれば手術をせずに済みますが、腟壁を刺激するため、出血やおりものがみられるようになります。また、腟の入り口の筋肉が緩んでいるとペッサリーはすぐに落ちてしまいます。3〜4ヶ月毎に交換しますが、交換の度にも腟の入り口が徐々に広がっていってしまうと考え、当院では抜去専用の器械を開発し(*特許取得済)、使用したりもしています。
手術療法には、緩んでしまった組織の余分な部分を切除して縫い縮めて押し込む方法(腟壁形成術)、脱出した部分を腟に押し込めて出口を閉鎖する方法(腟閉鎖術)、緩んだ部分を人工物のメッシュで支える方法があります。
腟壁形成術では、緩い組織が残っているため再度緩んでしまうこともあり、比較的再発率が高いという弱点があります。現時点で最も再発率が低いものは人工物のメッシュを用いた方法です。TVM(tension-free vaginal mesh)手術と腹腔鏡下仙骨腟固定術(LSC)がありますが、当院ではTVM手術は行っていません。LSCは2018年から開始しました。腹腔鏡を用いて腟にメッシュを縫い付けてお腹の中に引っ張り込んだ状態にする方法です。
LSCは良い術式ではありますが、もちろんデメリットもあります。細かい作業が多いため手術時間が長くなってしまいます。長時間手術に耐えられる年齢、状態でないといけません。また、メッシュ関連の合併症が起こりやすいため、糖尿病のある方や高度の肥満の方もお断りさせていただいています。LSCの適応がなく、腟壁形成術、腟閉鎖術を行うことになっても、もちろん再発が起こらないような工夫をしております。
骨盤臓器脱でお困りの方はご相談ください。
2020年 | 2019年 | 2018年 | 2017年 | 2016年 | |
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LSC | 1 | 7 | 6 | 0 | 0 |
腟式子宮全摘術 | 4 | 6 | 3 | 6 | 0 |
腟壁形成術 | 1 | 1 | 0 | 2 | 0 |
腟閉鎖術 | 3 | 0 | 0 | 0 | 1 |
マンチェスター手術 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 |
お知らせ
- [産後フォローアップ外来] 毎週月・火・水曜日午後1時より(予約制)
- [分娩予約] 里帰り分娩の予約など電話でもお受けしています。
※以下は新型コロナウイルスの流行以降中止しています。再開時期は未定です。
- [母親学級] 毎月第1、2、3木曜日午前9時15分より
- [両親学級] 毎月第2、4日曜日午前10時と午後2時より